ぼっけえ、きょうてえ
5時夢でおなじみ!
岩井志麻子さん作の作品。
「ぼっけえ、きょうてえ」。
第6回日本ホラー小説大賞を受賞し、
さらに、第13回 山本周五郎賞を受賞しています。
ひらがなの、意味のわからぬ不気味な表題。
惹かれまくりました。はい。
「すっごく、こわい」という岡山の言葉だそうです。
東京で生まれ育った私にとって、
「方言」は惹かれに惹かれる、見逃せないキーワード!!
うーん。
音と意味が絶妙にマッチしていて最高に素晴らしいなぁ
ぼっけえ、きょうてえ。
怖い・・・うきうき。
表紙の甲斐庄楠音の絵がまた泣かせます。
なんてマッチングした絵を持ってきたんだ。
装丁デザインさん、素晴らしい。
場所は遊郭。
寝物語にと、
暗闇の中、ポツリポツリと自分の身の上を語る遊女。
下賤の醜い遊女の口から囁かれる身の上は、
この上なく汚く、おぞましく、悲しいほどに血なまぐさいものだった。
岩井志麻子さんは5時夢からの大ファンなのですが、
「ご開張〜〜☆」の岩井さんが
まさか作家の岩井さんだとは中々気がつかず;
同姓同名だと思っていました。
ごめんなさい岩井さんm(_ _)m
場面がありありと目前に広がる、とても美しい文。
すぐに私たちを恐怖の世界に引き込んでくれます。
遊女、間引きという暗く、生臭いキーワードが出てきまが
岩井さんの魅力的な文の構成や、
岡山弁独特の空気感(濁音と語尾を伸ばしつなげる感じ)が
この不快さを幾倍にも増大してくれています。
うへぇ〜!!って感じです◎(褒め言葉ですm(_ _)m)
文庫本には、表題の他に
「密告函」「あまぞわい」「依って件の如し」が入っておりまして
計4作品。
どれも素晴らしいんです。(TT)
私は「密告函」(村に蔓延るコレラに翻弄される人間の翻弄劇)が気に入っていて
こちらも是非読んでいただきたい!
岩井さんの作品は短編含め何冊か読んでいるのですが(ホラー)、
土地に根付く、粘るような空気、関わりを描くのがうまい方なのではと思っています。
ただただ怖がらせるだけではない。
上質で洗練されたこの作品。
五臓六腑でホラーしたい大人な方に、是非お勧めしたい作品です。
いやぁ、ホラーって本当に大好きですね☆
ではまた!!
シーユー☆